どんなアプリライフにも、いつかは運用しなければならないときがやってきます。このチュートリアルでは、アプリの生き様を見せて御覧に入れましょう。
運用向けにビルドする方法はいろいろありますが、ここではAntビルドファイルでビルドします。しかし、デフォルトではbuild.xmlファイルが見えません。そこでまずやらなければいけないのが、build.xmlファイルのフィルタの設定を変更することです。パッケージエクスプローラの右上にある矢印をクリックし、「Filters...」を選択します(図10.1[「Filters...」メニュー])。Eclipseのほとんどのビューには同じような矢印があり、ここからビューの設定を変更できます。
図: 「Filters...」メニュー
フィルタの設定ウィンドウが表示されるので、build.xmlのチェックを外して「OK」をクリックします(節[フィルタの設定])。
図: フィルタの設定
これでプロジェクトの「build.xml」ファイルが見えるようになります。build.xmllファイルの上で右クリックメニューを開き、「Run As」>「Ant Build」を選択すると、運用向けのビルドが始まります(図10.3[「Ant Build」メニュー])。「Ant Build...」を選択すると、Antの設定を行うダイアログが表示されます。Antの設定ダイアログでは、ビルドターゲットやVMの選択、ビルドプロパティなどを設定できます。
図: 「Ant Build」メニュー
ビルドが始まると、コンソールビューにAntの出力が表示されます(図10.4[ビルド時のコンソールビュー])。ビルドが終わると、コンソールビューの左上に「<terminated>」と表示されます。デフォルトでは、プロジェクトの「dist」フォルダ下にビルドしたファイルが置かれます。
図: ビルド時のコンソールビュー
もしかすると、最初はビルドが終わってもdistフォルダが見えないかもしれません。これはEclipseが原因で、デフォルトではファイルシステムとプロジェクトビューを同期するようになっていません(Antは複数のプロセスで動いていますが、ファイルやフォルダを生成してもEclipseに知らせません)。プロジェクト名の上で右クリックメニューを開き、「Refresh」を選択してファイルシステムとプロジェクトビューを同期するのが簡単です(図10.5[「Refresh」メニュー])。
図: 「Refresh」メニュー
イライラするでしょうから、自動的にリフレッシュするように設定しましょう。「Window」メニューから「Preferences...」を選択し、設定ウィンドウで「Workspace」を選択します。「Refresh automatically」をチェックして、「OK」をクリックします(図10.6[自動リフレッシュの設定])。これでファイルシステムに変更があれば、Eclipseがプロジェクトビューをリフレッシュして変更を反映してくれます。自動的にリフレッシュされるたびにEclipseに負担がかかりますが、それだけの価値はあるでしょう。
図: 自動リフレッシュの設定